Adobe Commerce B2Bとは
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オンラインで個人が商品やサービスの購入・契約をすることが当たり前になった現在、企業間取引でもオンライン化が急速に進んでいます。
特に昨今では対面営業が難しいシーンが増えていたり、人手不足で営業スタッフの確保ができないケースも多く見られます。
これらの状況を補完・改善するために、B to B ECを導入する企業も増えているようです。
Adobe Commerce にもB to B拡張を追加した「Adobe Commerce B2B」というエディションがあります。
今回はその概要について取り上げたいと思います。
B to B ECに求められるもの
B to B ECの場合、B to C向けとは異なり、次のような機能が求められることが多いようです。
(あくまで一例です)
- 法人アカウント
- 取引先別の商品リスト
- 取引先別の価格設定
- 見積依頼
- 発注書対応
- ワークフロー
- 法人ユーザー権限
これ以外にも企業ごとに様々にユニークな機能がB to B ECでは実現されていることが多く、B to C以上にバリエーションがあるように思われます。
特に日本企業の場合、以前からの取引習慣や業務形態に基づく独自の仕組みが必要となるケースがB to C以上に見られます。
Magento Open Source / Adobe CommerceとB to B EC
基本的にAdobe Commerce / Magento Open Sourceは、B to C向けに開発がスタートしたプラットフォームです。
B to C向けの機能は相応に充実しており、デザイン調整と決済や配送エクステンションの導入だけで運用を開始できるケースもあるほどです。
(相当に限られたケースですが)
多くのケースでは数種類以上の既製エクステンションや独自実装エクステンションを導入し、デザイン調整や業務システム連携の調整を行う必要があります。
もちろんその前段階には標準機能と要求事項のすり合わせを綿密に行う必要があり、どこをどう改造するか?という洗い出しが欠かせません。
B to B向けの導入の場合、
- Magento Open Sourceの機能だけで足りるか
- Adobe Commerceの機能だけで足りるか
- Adobe Commerce B2Bの機能だけで足りるか
という視点で検証を行う必要があります。
もちろん、B2B版で追加される機能についてはひと通り概要レベルであっても把握しておくことが望ましいと言えます。
Adobe Commerce B2Bで追加される機能
Adobe Commerce B2Bで追加される主な機能は以下のとおりです。
- 会社アカウント機能
- 会社ユーザー管理機能
- 社内組織構造管理機能
- 社内ユーザー権限管理機能
- 注文承認ワークフロー機能
- 見積依頼機能
- 発注書機能
- 共有カタログ
- クイックオーダー
B to C向けのAdobe CommerceをB to Bでも使えるようにした構成になっているため、Magento Open SourceやAdobe Commerceに慣れている人にとっては、B to B向けの機能を理解するだけで使い始められるようになっています。
追加される機能の量はMagento Open SourceとAdobe Commerceほどの差はなく、Adobe Commerceが理解できている方にとっては管理画面の構成が同じであることを考えると、比較的とっつきやすいと言えます。
ただし、元々のMagento Open Source / Adobe Commerceの機能が多いため、全ての機能を把握・理解するためには相応の時間が必要です。
Magento Open SourceをB to Bで使えるか?
Magento Open Sourceの場合、標準機能として
- 顧客グループ単位での価格調整
- ボリュームディスカウント
- ルールベースのディスカウント
- ウェブサイト単位での商品展開調整
- ストア単位でのカテゴリ構成
- 量り売り機能
といったものが用意されています。
これらの機能で事足りるのであれば、B to Bサイトを構築・運用することができます。Adobe Commerce やAdobe Commerce B2Bは必要ありません。
Adobe CommerceをB to Bで使えるか?
Adobe Commerce限定の機能としては、
- コンテンツステージング
- ウェブサイトアクセス制限 / プライベートセールス
- 顧客セグメント
- カタログアクセス制限
といった機能があります。
「会員制サイトが作りたい」という場合は、Adobe Commerceの標準機能を活用する方法がオススメです。
Adobe Commerce B2Bまで手を伸ばす必要は無いでしょう。
Adobe Commerce B2Bが求められるケース
「Adobe Commerce B2Bが必要だ」という結論になる場合、
- 開発元の有償サポートが必要
- 開発元の検証が済んだ統合的な構成が必要
- 既にMagento Open Source / Adobe Commerceで構築したサイトがある
といった条件が土台になるのではないかと思います。
(あるいはそれ以外の理由も当然あって然るべきですが)
とはいえ、弊社としましてはいきなりAdobe Commerceを選ぶのではなく、まずはMagento Open SourceできちんとFit & Gapをしてからお選びいただきたいのが本音です。
(せっかく無償で8割近い機能を事前検証できるのですから、やらないのはもったいないと思います)
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