Adobe Commerce / Magento Open Sourceの管理画面が遅くなる障害が発生
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2023/06/15の深夜、「Adobe Commerce / Magento Open Sourceで構築されたサイトの管理画面が異常に遅くなる」という障害が全世界的に発生しました。
今回はこの現象の原因と、対策方法について解説したいと思います。
障害の発生
現象が発生し始めたのは、日本時間で6/15の21時以降です。突発的に管理画面の読み込みが遅くなり、あらゆる操作が行いにくくなりました。
Githubでも同時刻にチケットが起票され、対応がはじめられましたが、これそのものはアプリケーション本体の不具合ではありませんでした。
障害の原因とは
今回の障害の原因は、「Adobe側が提供している、管理画面利用統計の計測スクリプトの障害」です。Adobe Commerce / Magento Open Source本体の不具合ではありません。
このスクリプトは、
- Adobe Commerce / Magento Open Sourceをインストールしたあとの管理画面アクセスで表示される
- 一度同意・拒否するとブラウザからは設定変更ができない
という性質のもので、「そもそも存在すら知らなかった」という事業者の方も多かったのではないでしょうか。
本当は、インストール直後には次のようなダイアログが表示されます。
「Allow」または「Don't Allow」を選ぶのですが、どちらを選んだ場合でも、あとから管理画面経由で設定を変えることはできません。
対処法の提示
その後、Twitterなどで対処法の提示と拡散が行われるようになりました。
多くの関係者によって拡散されたのは、Ryan Hoerr氏がLinkedinに投稿した記事だったかもしれません。
重要な点に絞ると、以下のどちらかの対処法でこの障害については対処が可能です。
- php bin/magento config:set admin/usage/enabled 0 を実行し、設定値を0に変更する
- データベースにアクセスし、core_config_dataテーブル上の「admin/usage/enabled」の値を0に変更する
どちらの対応でも結果は同じなので、実施しやすい方法で設定値を更新していただくと良いでしょう。
その後、Magento / Adobe Commerceのキャッシュをクリアしておけば、問題は解消します。
以後の類似事案の再発を防ぐために
Adobe Commerce / Magento Open Sourceの導入の場合、事業者主導で導入が行われることはさほど多くはないと思われます。
基本的には開発ベンダーが初期構成を整えるのではないでしょうか。
できれば再発防止のために、今回障害を起こした計測機能については、原則「オフ」で設定いただくのが良いと思います。
おそらく既に稼働中のサイトにおいてはオフにされたと思いますが、以後もオフのままが無難でしょう。
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