Shopwareを知っていますか?
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おそらく多くの方が「聞いたことがない」と答えるでしょう。
ShopwareはMagento等と同じオープンソースのECプラットフォームです。近年ではMagentoのコミュニティ界隈からも多くの開発者・関係者が流入しており、実際に過去数年間に何千人ものMagento1ユーザーがShopwareに移行していると言われています。弊社でも既に日本語訳の作成に着手しています。
Shopwareとは?
基本情報
Shopwareは、2004年に設立された、ドイツはヘッヒンゲンに本社を置くEコマースプラットフォームです。ドイツ及びドイツ語圏で特に流行しています。
最大の特徴はオープンソースで開発されていて、ユーザーが自由にカスタマイズすることが出来ることでしょう。開発言語はPHPで、数多くのコミュニティが存在しており、ユーザー同士の情報交換や新しい拡張機能の開発が盛んに行われています。現在では、約100,000のウェブショップがShopwareを利用していると言われています。
代表的なものでは……
Phillips (ヘルスケア、電子機器販売、尚フロントはAdobe Experience Manager)
ボルシア・ドルトムント(ドイツのサッカーチーム、アパレル販売)
HARIBO(食品販売)
イエガーマイスタ(酒販、BtoBもあり)
等があります。
ここでは著名なものとしてビジネス規模が大きいものをあげましたが、その豊富な機能や高度なカスタマイズ性により、中小企業から大企業まであらゆる規模のビジネスに対応することが可能です。多言語/多通貨対応など、国際的なEコマース展開も可能です。
オープンソースであることや、PHPで開発されていること、多言語/多通貨対応などMagentoとの類似点も多く見られます。
主な特徴
オープンソースであること
ShopwareはオープンソースのEコマースプラットフォームであり、ユーザーが自由にカスタマイズすることができます。また、多数のコミュニティが存在しており、ユーザー同士の情報交換や新しい拡張機能の開発が盛んに行われています。
多機能であること
Shopwareには、商品カタログ、注文管理、在庫管理、顧客管理、支払い処理、送料計算、税金計算など、オンラインストアの作成に必要な機能が一通り揃っています。また、多言語対応や多通貨対応など、国際的な展開にも対応しています。
高度なカスタマイズ性があること
Shopwareは、多数の拡張機能やテーマがあり、ユーザーが自由に選択して利用することができます。拡張機能には、SEOツール、マーケティングツール、カスタマイズツール、CRMツールなどがあります。テーマには、様々なデザインのものが用意されており、自社のブランドイメージに合わせたデザインを選択することができます。
スモールスタートから大規模なビジネスまで対応できること
Shopwareは、あらゆる規模のビジネスに対応することができます。最も単純な例では、小規模なオンラインストアの構築にはオープンソース版を。大規模サイトには有償版を用いることでしょう。
APIによるシステム連携が可能であること
Shopwareは、APIによるシステム連携が可能であり、ERPやCRMなどの既存のシステムとの連携がスムーズに行えます。また、サードパーティー製のプラグインの導入も可能であり、さまざまな機能を追加することができます。
Editions
Shopwareには次のようなエディションがあります。
エディション | 機能 | コスト |
---|---|---|
CommunityEdition | 基本 | 無料 |
Rise | CommunityEditionの全機能 返品処理 カスタム製品 |
月額600ユーロから |
Evolve | Riseの全機能 プラグイン経由で導入可能な機能を標準搭載 |
別途見積もり |
Beyond | Evolveの全機能 24/365のサポート |
別途見積もり |
有償版はSaaSでの運用も可能になります。サポートの対応時間は各Editionによって異なりますが、Beyondでは24/365でのサポートが受けられます。 (当然英語もしくはドイツ語での対応になりますが…)
shopware5 vs shopware6
shopwareは現在主にShopware5、Shopware6の2つのバージョンが運用されています。上であげたようなサイトは全てShopware5で運用されています。両者の違いを
- 技術
- アーキテクチャ
- テーマの作成方法
- プラグインの開発方法
- 機能
の視点で比較してみましょう。
技術の違い
Shopware5は、Symfony 2とDoctrine 2というPHPのフレームワークをベースに構築されています。一方、Shopware6は、Symfony 4とDoctrine 2をベースにしており、Modern storefrontという新しいJavaScriptフレームワークを採用しています。
アーキテクチャの違い
Shopware5は、従来のMVC(Model-View-Controller)のアーキテクチャーを採用していますが、Shopware6では、新しいアーキテクチャーであるMVI(Model-View-Intent)を採用しています。MVIは、より柔軟で拡張性が高く、新しいフロントエンド技術の統合にも適しています。
テーマの作成方法
Shopware5では、テーマの作成にはSmartyというテンプレートエンジンを使用していましたが、Shopware6では、Twigというテンプレートエンジンを使用しています。Twigは、よりシンプルで、可読性が高く、拡張性があるため、Shopware6でのテーマ作成はより効率的になっています。
プラグインの開発方法
Shopware5では、プラグインの開発にはZend FrameworkというPHPのフレームワークを使用していましたが、Shopware6では、Symfonyのコンポーネントを使用しています。Symfonyは、オープンソースのフレームワークであり、プラグイン開発により一貫性をもたせ、より簡単にしています。
機能
Shopware6には、Shopware5にはない多数の新機能が追加されています。例えば、Shopware6では、管理画面が改善され、ショップの運用管理がより簡単になりました。また、マルチストア機能の改善や、ストアフロントのカスタマイズがより柔軟に行いやすくなりました。
これらをまとめると下記表のようになります。
Shopware5 | Shopware6 | |
---|---|---|
技術 | Symfony 2/Doctrine 2 | Symfony 4/Doctrine 2 |
アーキテクチャ | MVC(Model-View-Controller) | MVI(Model-View-Intent) |
テーマの作成方法 | Smarty | Twig |
プラグインの開発方法 | Zend Framework | Symfony |
機能 | - | +α機能 |
尚、Shopware5は2024年7月にEOLを迎えます。今後はセキュリティや法令遵守の観点の(商用)サポートのみ、safefiveによって引き継がれます。
次回予告
次回はShopwareのローカル環境構築を行います。