ここが変わったMagento2.4〜店頭引き取り機能がついに実装
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Magento2.4では、大手家電量販店などでおなじみの「店頭引き取り」を実現する機能が搭載されました。
この機能はMagento2.3で追加された「複数拠点在庫管理(Mutl Source Inventory)」への機能拡張という形で実装されており、標準インストールに含まれています。
店頭引き取り機能とは
店頭引き取り機能は、その名の通り「購入した商品を指定した店舗(拠点)で引き取れる」機能です。
あらかじめMagento上で在庫を管理する倉庫の設定と、配送方法として「店頭引き取り」を有効にしておくだけで、簡単に利用できる機能となっています。
店頭引き取り機能を使うための設定
店頭引き取り機能を使うためには、以下の2つの設定が必要です。
(倉庫の関連付けや在庫数の設定は省略します)
- 1つ以上の店頭引き取りに対応した倉庫の定義
- 配送方法として「店頭引き取り」が有効であること
- Google Cloud ComputingでGeocoding APIが利用できること
順番に紹介していきましょう。
倉庫の設定を調整する
複数拠点在庫管理をご利用中の環境では、
店舗>倉庫(Sources)
で定義済みの倉庫を確認できます。
どのデータでも構わないので編集画面を開くと、次のような設定項目が表示されます。
一番下の項目に、「Use as Pickup Location」というものがあります。
ここを「Yes」にすると、店頭引き取りの対象倉庫としてMagentoが認識するようになります。
さらに、画面下部に設定項目が追加で表示されます。
「Frontend Name」はストアビューの数だけ表示されます。言語別に設定が必要な場合は適宜調整してください。
「Frontend Description」はフロントエンドで説明などを表示したい場合に使用します。
配送方法の有効化
倉庫の設定ができたら、次は配送方法の設定を調整します。
店舗>設定>配送方法
にアクセスし、配送方法の設定を行います。
ここで重要な点としては「Search Radius」のところに入れる値です。
この値は倉庫を検索する際の半径をキロメートルで指定します。購入時にMagentoが入力された住所に基づいて、範囲内の倉庫を表示するため、あまり広い範囲を指定すると、結果件数が多くなりすぎるかもしれません。
Google Cloud Computingの設定
本来は複数拠点在庫管理を有効にする際に行う設定なのですが、Google Cloud ComputingでGeocoding APIが利用できる状態にしておきましょう。
有料のAPIですが、5ドル/1,000リクエストかつ毎月200ドルまでは無償利用できるようなので、40,000リクエスト/月までは課金されないと思います。
Google Cloud ComputingのAPIキーは、
店舗>設定>在庫
に用意されている「Google Distance Provider」の箇所にセットします。
こうして設定を行えば、あとはフロントエンドで購入手続きの際に店頭引き取りが選べるようになります。
実際に購入してみよう
では、ここまで行った設定が正しく動くかどうか、試してみましょう。
在庫などの設定を行った商品をカートに入れ、配送先と配送方法を選択するステップに進みます。
2.3までと異なり、「Pick in Store」というボタンが増えています。
このボタンをクリックすると、次のように引取先を検索できます。
この引取先選択の検索時に、Google Cloud ComputingのGeocoding APIを使用します。APIの設定が正しくできていない場合、検索が正しく動かないので注意してください。
引取先を選択し、注文を確定すると、次のようなメッセージが表示されます。
通常の注文であれば、「配送が〜」というようなメッセージが表示されますが、店頭引き取りの場合はこのようなメッセージになります。
まとめ
- Magento2.4では複数拠点在庫管理が強化され、店頭引き取りができるようになった。
- 店頭引き取りはMagentoに登録してある倉庫から選択できる。
- 引取先の検索は、Google Cloud ComputingのGeocoding APIを使用する。
翻訳や表示の調整はまだこれから必要ではありますが、比較的簡単な設定でMagento2.4では店頭引き取りが実現できます。
もちろん、「店頭引き取り」という表現ではなく「近くの店舗から配送」という表現にもできます。
ぜひご活用ください。
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