このエントリはMagento Advent Calendar 2018の2日目です。

前回はMulti Source Inventory(MSI)の概念について解説しました。
今回は実際にMSIの使い方を解説していきましょう。

MSIで新しく増える概念

MSIを使用する場合、以下の概念が新たに増えます。

  • 倉庫
  • 在庫
  • チャネル

倉庫は前回取り上げたように、実際の在庫を保持している拠点です。
在庫は複数の倉庫を取りまとめた、理論上の在庫です。
チャネルは従来からあるMagentoのウェブサイトと同じ意味です。

倉庫の管理

では、早速MSIを使ってみましょう。最初は倉庫の管理です。
MSIに関するメニューは管理画面の「店舗」メニューにまとめられています。

メニュー

倉庫を管理する場合は、倉庫メニューを選びます。

登録されている倉庫の一覧が表示されますが、Magento2.3をインストールした直後は、「Default」のみが登録されています。
(2.2以前からアップデートしてきた場合も同じです)

倉庫一覧

新しく倉庫を追加する場合は、「新規作成」を選びます。既存の倉庫を編集する場合は、一覧の右端にある「編集」を選びます。

倉庫編集

倉庫の作成と編集

倉庫の作成画面と編集画面は基本的に画面の項目が同じです。
必須項目としては、

  • 倉庫の名称
  • 管理用コード
  • 郵便番号

となっています。国や郵便番号は標準状態では特に考慮されませんが、独自に出荷時の倉庫選択処理を実装する場合には活用できます。

在庫の管理

次は在庫の管理です。
メニューから「在庫」を選ぶと登録済みの在庫一覧が表示されます。

在庫一覧

新しく在庫を登録する場合は「新規作成」を、編集する場合は一覧の右端にある「編集」を選びます。

在庫の新規作成と編集

在庫編集

編集画面では以下の項目を設定します。

  • 在庫の名前
  • 在庫を関連付けるウェブサイト
  • 在庫が使用する倉庫

在庫が使用する倉庫の関連付けは、「倉庫割当」ボタンをクリックして、利用できる倉庫を選択します。

倉庫割当

なお、Default倉庫は他の倉庫と一緒にできないので、注意してください。

商品別の在庫設定

ここまで設定できれば、あとは個別の商品に対して在庫数の設定を行います。
商品の編集画面を開くと、これまでの在庫管理とは設定項目が変わっています。

商品在庫編集

「倉庫割当」ボタンをクリックして、商品ごとに関連付ける倉庫が指定でき、さらに倉庫別に在庫を設定できます。

在庫割当

在庫管理

また、倉庫別に在庫切れの通知設定ができます。倉庫別の入荷に関するリードタイムなどを考慮して値をセットしておくと良いでしょう。

まとめ

このようにMSIでは複数の在庫を持つ拠点と、理論在庫をウェブサイトごとに設定できます。
商品に関しては単品毎に倉庫別の在庫数を設定できるので、今までよりも複雑な在庫数管理にも対応することができます。

今までであれば「カスタマイズが」と言っていた要件に対してもMagento2.3は標準機能で対処ができるので、MSIを使ってより現実に即した運用をしたいものです。