Mage-OSを試してみる 〜もうひとつのMagento Open Source〜
Mage-OSというプロジェクトがあります。
名前からなんとなく想像される方もおられるかもしれませんが、Mage-OSは
コミュニティ有志によるMagento Open Sourceのフォークプロジェクト
です。
最近バージョン1.0.0がリリースされたので、試してみることにしました。
※ 2023/11/24時点では既に1.0.1がリリース済
インストール方法
Mage-OSのインストール手順はMagento Open SourceやAdobe Commerceと変わりません。
composer create-project --repository-url=https://repo.mage-os.org/ mage-os/project-community-edition インストール先ディレクトリ名
を実行して暫く待つと、必要なパッケージがダウンロードされます。
お使いの回線によってはうまく行かない可能性もありますが、その場合は回線を変えてみるとうまくいくかもしれません。
Magento Open Sourceとの違い
現時点では、Mage-OSとMagento Open Sourceの間に大きな機能面での差はありません。
目につく差としては、管理画面のロゴや色調がMagento Open Sourceとは異なるところでしょうか。
Redhat Enterprise Linuxとそのクローンディストリビューションの関係と似ていますね
バージョン番号の違い
現在のMagento Open Sourceは2.4.6を最新とするバージョン番号になっています。
これに対し、Mage-OSは1.0.1です。
バージョン番号が大きく異なる点に注意が必要ですね。
サードパーティ製エクステンションを利用する場合に注意が必要か?というとそんな事はありません。
composerによる互換性の維持
Mage-OS版の各パッケージに含まれるcomposer.jsonには、Magento Open Source版にはない以下の定義が追加されています。
"replace": {
"magento/framework": "103.0.6-p3"
}
上記の例はmageos-frameworkパッケージのものです。
この定義があることによって、mage-os/frameworkパッケージはmagento/framework 103.0.6-p3に置換されて解釈されます。
結果として、Magento Open Source用のエクステンションはそのままMage-OSでも基本的に利用が可能です。
Mage-OSの今後
MySQLとMariaDBが一定の互換性を持ちつつ独自機能を相互に追加しているように、Mage-OSとMagento Open Sourceも同じような展開になっていくと思われます。
現時点での相違としては、
- Adobe IMS連携の除外
- Adobe Stock連携の除外
- PayPal Braintree連携の除外
- Google Shopping広告連携の除外
- Temando shipping連携の除外
があります。
今後の予定としては、
- パッケージ間の依存関係の生理と切り離し
- 開発者向けの利便性向上
- Magento用エクステンションとの完全な互換性
- 時代の要求に即した追加セキュリティ実装
- 動作環境の要件の緩和
- コード自動生成などのコア機能・実装の改善
- 別途インストール可能な標準バンドル機能の切り離し
などが挙げられています。
弊社の方針
弊社としては既存の弊社製エクステンションの動作確認を進めるとともに、必要に応じてフィードバックなどを行っていきたいと考えております。
また、Adobe Commerce / Magento Open Source / Mage-OSの違いについて継続的にお伝えしていく予定です。
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