Magento1.xのサイトは今後どうするべきか
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このエントリはMagento Advent Calendarの19日目です。
Magento2がリリースされてはや1ヶ月。
第14回Magento Cafe Plusでも話題になっていたのですが、Magento1.xのサイトは今後どうしていくべきでしょうか?
どんなソフトウエアにも寿命があり、やがては現役を退いて過去のものになっていくのは避けられない宿命です。とはいえ、Magento1.xが現役でなくなるのは2018年11月17日と既にMagento公式で定められており、この日までに何らかの判断をしなければなりません。
このエントリではMagento1.xのサイトが今後どうするかについて解説したいと思います。
基本的にどうしたら良いのか?
別のプラットフォームに乗り換える、あるいはサイトを閉めるということでなければ、Magento1.xのサイトをMagento2に移行することになります。
とはいえ移行するとなった場合にはそれなりにクリアしなければならない課題が出てくるのもまた事実です。
(別のプラットフォームに乗り換えても結局同じですが・・・)
移行に関する課題とは
移行に関してクリアしなければならない課題というのは、以下の4つです。
- デザインの見直し
- エクステンションやカスタマイズ箇所の再実装
- データの移行
- 移行に関する費用の負担
デザインの見直し
Magento2ではデザイン周りのアーキテクチャも大幅に見なおされています。そのため1.xのテーマがそのまま使えません。基本的に実装し直しです。
とはいえデザインのトレンドは変わっていくもので、今ではモバイル端末での使い勝手を優先するケースが多いため、抜本的にデザインやナビゲーションを見なおしても良いでしょう。
いずれにしても新しいデザインを作る必要があり、そのための費用がかかる、ということは事実です。
エクステンションやカスタマイズ箇所の再実装
移行に関して、最もコストがかかるのはこの部分でしょう。
サードパーティ製エクステンションをそのまま使っているぶんには何ら問題はないですが、何かしら手を加えている場合は要注意です。
また、Magento1.x用に開発されていたエクステンションがMagento2用にもリリースされる保証はありません。
(機能的に不要になるケースもあるからです)
特にそのサイト独自の仕様・ルールに合わせて実装された機能については誰もMagento2用を開発してくれません。
自社でコストを負担し、Magento2における機能の設計・実装・テストを行わなければいけないので、これからサイトを作ろうという方は、極力独自仕様の機能を作りこまないことをおすすめします。
できるだけ標準機能あるいは有名どころのエクステンションを利用するのが無難でしょう。
また、商用テーマもよく見て選ぶ必要があります。
過剰に機能を追加するような商用テーマについては、移行の際に障害となるだけでなく、機能の再実装に費用がかかる恐れがあります。
安価にできるから、と目先の価格だけに囚われてはいけません。
データの移行
現在弊社でも検証作業を進めているところですが、Magento1.xのデータベースにMagento2をインストールすることはできません。
商品データや注文データ、顧客データといった必須のデータ移行には、Magento公式で開発が進められている「Data Migration Tool」を使うことになります。
ただし、このツールで移行できるのはMagento本体のデータのみなので、エクステンションによって独自に定義されたテーブルやデータは移行の対象外です。それらの移行については、別途ツールを開発するか、ベンダーが無変更で移行できるようにMagento2版のエクステンションに配慮をする必要があります。
移行に関する費用の負担
別のプラットフォームに移行しても結局ある程度はかかるのですが、Magneto1.xからMagento2への移行には大なり小なりの費用がかかります。ファイルを上書きすればハイ終わり、というレベルではないので、相応の労力と時間をかけた作業になります。それを負担するのはストアオーナーです。
3年のうちに移行するという前提のもとで、予算の準備をしてください。ベンダーも研究を重ね、省力化を実現するとは思いますが、それでもやはり費用はかかります。
結局どうするのが良いのか
個人的な意見としては、Magento1.xからMagento2に移行したほうが良いと思います。
一般的にアプリケーションは新しい物ほど洗練され、悪い面が改善されています。ですからMagento2に移行することで様々な今までの不満点が改善される可能性があります。
ただ、それにかかるコストもカスタマイズの度合いによって非常に幅があるのもまた事実です。
ですから今、Magentoでサイトを運営している方には、3年以内に初期構築と同等の費用がかかる可能性があることを認識していただきたいのです。
その費用の目的が、Magento2への移行なのか、あるいは別のプラットフォームへの移行なのかを決めるのは、サイトの所有者自身であるということも。
さて、Advent Calendarも残すところあと5日です。次はTakuさんです。