Magento2系の最新リリース、2.1.3と2.0.11がリリースされました
前バージョンからおよそ90個の不具合修正と改修に加え、一部新機能が追加されています。

Magento2の各マイナーバージョンのメンテナンス期限は初回リリースから2年間と定められているため、2.0系は2017年11月。2.1系は2018年6月までそれぞれメンテナンスされる予定になっています。
既に2.0系の期限は来年11月に近づいてきているため、既に2.0系でサイトを構築されている方は、2.1系へのアップデートを検討して頂く必要が出てきています。

さて、それぞれのリリースノートは以下のURLで公開されています。

どのような改修が行われたかをご紹介しましょう。

共通する改善点

  • 管理画面でバリエーションの多いコンフィグ商品を作成する際に、パフォーマンス劣化が起きないように改良しました。
  • アップデートに際し、マルチマスタ構成のデータベースでもアップデートできるように改良しました。
  • 特殊記号が含まれているデータでのCSVインポートまたはエクスポートができるように改良しました。
  • Salesモジュールに新たに2つのWeb APIが追加されました。これまで払い戻し処理は管理画面からしか実行できませんでしたが、2.1.3/2.0.11以降はAPI経由でも払い戻し処理ができるように改良しました。

Magento2.1.3の変更点

2.1.xに対しては機能改良・追加がいくつか行われています。

新しいPayPalとBraintreeの支払い機能

  • 顧客はPayPalアカウントとMagentoを連携させることができるようになりました。これによって、毎回PayPal IDを入力する必要がなくなり、よりスムーズに購入手続きが行えるようになり、コンバージョン率が向上します。
  • Braintreeを通じて各ウェブサイトのクレジットカード明細書に表示されるビジネス名、電話番号、URLをカスタマイズすることで、チャージバックや問合せの件数を削減できるようになりました。
  • Braintreeの詐欺リスク検出機能によって詐欺の疑いがある顧客に誤って製品を出荷してしまうリスクを軽減できるようになりました。
  • ゲスト顧客からの注文に対し、管理者が注文内容を編集した場合でも、最後に使用した支払い方法に対して編集後の決済内容を反映させることができるようになりました。
  • 管理画面の「支払方法」ページを改良し、決済方法をの設定する手続きを簡略化しました。

パフォーマンス改善

  • 画像取得に関する遅いSQLクエリを除去することにより、 フロントエンドの表示性能を向上しました。
  • 大規模なカタログの処理におけるパフォーマンスの向上を行いました。
    カタログ/製品のインデックス処理は、大規模なカタログ用に対してMySQLで大きな一時テーブルメモリ割り当てを必要としなくなりました。

Varnish

  • Varnish X-headerの動作を変更しました。 親SKUのみがリストに含まれ、すべての子プロダクトのSKUでは含まれません。 

Magento_Vaultモジュールに対する互換性のない更新

Magento_Vaultモジュール100.2.0において、互換性のない変更が行われました。
PayPalやBraintree決済でVault機能を使われている場合には注意が必要です。

Magento2.0.11の変更点

2.0.11に対しては固有の新機能やパフォーマンス改善点はありません。
おもに機能の熟成が行われており、Githubにレポートされた不具合などの改修・改良が主な変更点になっています。

その他の修正について

両バージョンとも非常に多くの修正・改良が行われています。
全てを把握するためには、公式のリリースノートをお読みいただくのが良いでしょう。