OroCRMをLinux環境にインストールしてみます。
開発版なのでインストールはMagentoに比べるとやや難しいですが、ポイントを押さえればインストールできます。

OroCRMの動作する環境

OroCRMはSymfony2をベースとして開発されていて、以下の環境で動作します。

  • PHP 5.3.3以上
    •  openssl
    •  intl (icu)
    •  pdo
    •  mysql
  • Apache / nginx
  • Linux
  • MySQL

Magentoとほぼ同じ環境で動くのですが、環境によってはopensslやicuのPHPエクステンションが入っていない場合があるため注意が必要です。

OroCRMのソースコードの取得と配置

現状ではソースコードはGitHubを経由して配布されています。
Gitが使える場合は以下のコマンド(またはそれに類する方法)でソースを取得します。

git clone https://github.com/orocrm/crm-application.git

Gitが使えない場合はzipアーカイブとしてダウンロードし、サーバにアップロードします。

設定ファイルの修正

最初にデータベース作成のための設定ファイルを作成します。

cp app/config/parameters.dist.yml app/config/parameters.yml

このファイルをエディタで開き、データベース接続先情報やデータベース名を指定します。
接続に使用するMySQLのユーザーにデータベース作成権限がある場合は、予め作成する必要はありません。

composerで関連するプログラムのダウンロード

OroCRMはSymfony2をベースにしているので、composerによる関連パッケージのインストールが必要です。
まず最初にcomposerをインストールします。

curl -s https://getcomposer.org/installer | php

このコマンドでドキュメントルートにcomposer.pharが作成されます。
続いてcomposerを使用して関連パッケージをダウンロードします。

php composer.phar install

このコマンドを実行すると関連パッケージが自動的にダウンロードされ、所定のディレクトリに配置されます。
なお、回線の影響でタイムアウトが発生する場合は、以下のようにタイムアウトを延長してみてください。

COMPOSER_PROCESS_TIMEOUT=5000

インストールスクリプトの実行

ドキュメントルートにあるinstall.shを実行します。Windows環境の場合はinstall.batを実行してください。

sh ./install.sh

データベースの作成や各種設定が行われ、OroCRMのインストールが完了します。
ブラウザでアクセスする前に、

  • app/cache
  • app/logs
  • web/bundles
  • web/css
  • web/js

に書き込み権限があるかどうか確認しておいてください。権限が正しくない場合は正しく動きません。