Akeneo PIMをインストールする
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このエントリではAkeneo PIMをインストールする手順をご紹介します。
ここでご紹介するインストール手順は、LinuxやMac OS用のものです。Windows環境の場合は異なることがありますので、適宜読み替えてください。
Akeneo PIMの入手
Akeneo PIMには安定版と開発版があります。
2014年4月段階の安定版は1.0で、1.1は開発版となっています。
安定版のダウンロード
Akeneo PIMの安定版は、Akeneo公式サイトからダウンロードできます(ダウンロードページ)。
ダウンロードページにアップされているものにはデモデータが含まれているので、Akeneo PIMがどんなものかを見たい場合には調度よいでしょう。
開発版のダウンロード
開発版はGithubで配布されています(リポジトリページ)。
開発版という位置づけ上、安定度に欠ける面がありますが、新しい機能などをいち早く試すことができます。
このエントリでは安定版を使ったインストール方法をご紹介します。
開発版を使う場合は手順が異なったり、他の設定が必要になったりすることがありますので、開発者以外にはお勧めできません。
もっと気軽に試したいときは
Akeneo PIMをインストールした仮想マシンが配布されています。
この仮想マシンを使うと、インストール作業をしなくてもAkeneo PIMを試すことができます。
ただし、仮想マシンを動かすことができる環境や、仮想マシン自体の扱いを知らないといけないので、インストールの手間がない、程度に思っておいてください。
インストール環境の準備
Akeneo PIMのインストール手順は英語版ですがドキュメントページがあります。
Akeneo PIMはOroCRMと同じ、OroPlatformをベースに開発されています。OroPlatformはSymfony2が土台にあるシステムなので、Akeneo PIMは必然的にSymfony2が動作できる環境を要求します。
ドキュメントルートの設定
Akeneo PIMのドキュメントルートは、
/path/to/akeneoインストールディレクトリ/web/
です。デフォルトドキュメントはapp.phpなので注意してください。よくあるアプリケーションのように、index.phpではありません。
インストールの実行
安定版も開発版も、基本的にブラウザベースのインストーラーは付属していません。(将来的にGUIインストーラーが用意される可能性はあります)
すべてコマンドを実行する必要があります。
ですがそこまで難しいものではありませんので、手順に従えば問題ありません。
composer.pharのダウンロード
インストールの前に、composer.pharをダウンロードします。
composerはPHPのライブラリ間の依存関係を調整してくれるツールです。
curl -s https://getcomposer.org/installer | php
と実行することで、今いるディレクトリにcomposer.pharがダウンロードされます。
composerによるライブラリのダウンロード
次に、composerによるライブラリの依存関係の解決と、ダウンロードを行います。
この処理は時間がかかる事があります。
まず最初に、
php path/to/composer.phar install
を実行し、関係するライブラリのソースをダウンロードします。
回線や環境によってはタイムアウトしてしまうことがあるので、そういう場合は
export COMPOSER_PROCESS_TIMEOUT=6000
というように、composerの実行時間制限を緩和してやればよいでしょう。
また、多くのライブラリはGithubからダウンロードします。最近のGithubは1日あたりのAPIアクセス回数を制限しているので、匿名モードではすぐに上限回数を超過してしまいます。
これを回避するには、Githubのアカウントを前もって取得しておけば対処できます。
composer.pharによるダウンロードの実行中にAPIの実行回数制限を超過してしまうと、composerはAPIキーの取得を行おうとするので、その際にGithubのログイン情報を入力すれば、自動的にAPI実行回数制限の上限値を緩和することができます。
うまくライブラリのダウンロードができると、composerはシステム設定ファイルの作成を行います。
ここでは接続するデータベースサーバーの情報や言語設定を行います。
Akeneo PIMには既に日本語ロケールがバンドルされているので、localeを入力する際に、「ja」と入力します。
インストールコマンドの実行
次に、インストールコマンドを実行します。
Akeneo PIMのルートディレクトリに移動し、
php app/console pim:install
と実行すると、自動的にインストールが行われます。
このとき、インストールする環境のチェックが自動的に行われるので、うまくいかない場合は問題の原因を調べて対処する必要があります。
なにも問題がなければしばらくするとインストールが完了します。
最後にアプリケーションのキャッシュをクリアしておきましょう。
php app/console cache:clear --no-warmup
とタイプすることで、キャッシュをクリアできます。
パーミッションの調整
インストールが完了したあと、一部のディレクトリに書き込み権限を付与しておく必要があります。
以下のディレクトリに書き込み権限を付与しておいてください。
- app/cache
- app/logs
- app/entities
- app/emails
- web/bundles
- app/uploads/product
- app/archive
サイトへのアクセス
最後にAkeneo PIMをインストールしたURLにアクセスします。
問題なくインストールができていれば、以下のように日本語のAkeneo PIMにログインできます。
(ログイン情報は標準では admin /adminです)