前回のエントリでは、Magento Community EditionにLesti::Fpcを導入して、大幅に高速化を行いました。
Community Editionでもかなりの性能向上が得られることがわかったと思います。

では、Lesti::Fpcを組み込んだCommunity EditionとEnterprise Editionとではどちらが速いのでしょうか? 
比較してみることにしましょう。

比較するバージョン

現時点では、Community Editionの最新安定版が1.7.0.2、Enterprise Editionの最新安定版が1.13.0.2となっていて、Enterprise Editionが1世代新しくなっています。
Community Edition 1.7に相当するのは、Enterprise Editionの1.12であるため、このエントリではCommunity Edition 1.7.0.2とEnterprise Edition 1.12.0.2を使用することとしました。
どちらも、サンプルデータを入れた状態で、Community EditionはLesti::Fpcを有効にして、キャッシュが十分蓄積された状態で比較をしています。

トップページの比較

最初はトップページです。
デモデータを入れただけの状態でアクセスしてみました。

  • Community Edition 242ミリ秒
  • Enterprise Edition 34ミリ秒
いきなりEnterprise Editionが大差をつけてしまいました。

商品一覧の比較

続いて商品一覧です。
Funitureカテゴリのレスポンスを計測しました。

  • Community Edition 237ミリ秒
  • Enterprise Edition 38ミリ秒
やはりEnterprise Editionのほうが圧倒的な性能を見せつけています。

商品ページの比較 

最後に商品ページを比較します。

  • Community Edition 317ミリ秒
  • Enterprise Edition 74ミリ秒
さすがにEnterprise Editionでも商品ページは少し遅くなります。
ですがそれでもCommunity Editionは足元にも及ばない状態です。 

まとめ

Community Editionに無料で使えるエクステンション「Lesti::Fpc」を導入することで、費用ゼロで性能を劇的に向上することは可能です。
ですが、それでもEnterprise Editionのフルページキャッシュには敵いません。同じフルページキャッシュという機能ですが、Enterprise Editionはより大規模なサイトの運用を通して培われたノウハウがフィードバックされているだけに高速です。

なお、この比較はページのHTMLを読み込むまでの時間を測定しています。ページ全体の読み込み時間ではありません。

おまけ:フルページキャッシュを無効にすると、Enterprise Editionはどれくらい遅くなるか?

試しにフルページキャッシュを無効にした状態のEnterprise Editionのレスポンスを測定しました。
以下がその結果です。 

  • トップページ 790ミリ秒
  • 商品一覧 1.28秒
  • 商品ページ 1.45秒

やはりフルページキャッシュがないとかなり遅くなります。
これが標準状態で、ここからサイトごとにカスタマイズをしていくわけですから、フルページキャッシュの効果というのはまさに絶大ということが言えるでしょう。