Magento1.5以降に対するセキュリティパッチのリリースが行われました。
新たにリリースされたセキュリティパッチ「SUPEE-11086」はMagento Community Edition 1.5.0.0以降のバージョンが対象となっており、リモートコード実行やCSRFを含む25件の脆弱性が修正されます。2019年3月27日現在ではこのセキュリティパッチによる修正対象の脆弱性を狙った攻撃は確認されていませんが、早急な適用が強く推奨されます。

SUPEE-11086の重要なポイント

Magentoのセキュリティ関連の情報を扱う、「Security Center」では、このセキュリティパッチの適用によって、主に以下の脆弱性が修正されるとしています。

  • SQLインジェクション
  • リモートコード実行
  • クロス・サイト・スクリプティング
  • クロス・サイト・リクエスト・フォージェリ(CSRF)
  • 情報漏えい
  • 権限昇格

修正される脆弱性・不具合

では、SUPEE-11086で修正される脆弱性を個別に取り上げていきましょう。
このパッチでは25件の脆弱性・不具合が修正されますが、その中にはCVSS v3におけるリスクレベル7以上がが10件含まれています。Magentoを狙ったマルウェアも横行していますので、可能な限り速やかにパッチを適用することが望ましいといえます。

SUPEE-11086で修正される脆弱性
脆弱性番号概要種別CVSS v3 リスクレベル対象バージョン
PRODSECBUG-2198 未認証のユーザーによるSQLインジェクション SQLインジェクション 9.0 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2285 Redisを介したサーバー側でのCSRF CSRF 9.0 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2273 商品属性設定の不備によるリモートコード実行 リモートコード実行 8.5 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2261 PHPアーカイブの不適切なデシリアライズによるコード実行 リモートコード実行 8.5 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2253 Nginxにおける細工された顧客属性を介したPHPリモートコード実行 リモートコード実行 8.5 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2210 不正なXMLデータを使用したリモートコード実行 リモートコード実行 8.5 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2252 PHPアップロード制限を迂回したリモートコード実行 リモートコード実行 8.5 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2232 レイアウトXMLデータの検証処理を迂回した不正コード実行 リモートコード実行 8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2245 エスケープ処理の不備によるXSS XSS 7.6 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2182 管理画面におけるウィジェット選択でのXSS XSS 6.5 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
MPERF-10416 CSRFによるカタログ価格ルールの削除 CSRF 5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
MPERF-10400 CSRFによる商品データの削除 CSRF 5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1 
PRODSECBUG-2178 クーポン管理画面におけるXSS XSS 5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2227 CSRFによるSOAP/XML-RPCユーザーと権限の削除 CSRF  5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1 
PRODSECBUG-2222 CSRFによる管理者権限の削除 CSRF  5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1  
PRODSECBUG-2220 CSRFによるデザイン設定の削除 CSRF  5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2212 CSRFによるクーポン定義データの削除 CSRF 5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2254 CSRFによるREST API関連のデータ削除 CSRF 5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2195 CSRFによる商品属性の削除 CSRF 5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2225 CSRFによる管理者ユーザーの削除 CSRF 5.8 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2244 メールテンプレートプレビューにおけるXSS XSS 5.5 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2230 値チェックの不備による意図しないデータ操作 CSRF 5.4 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2197 管理者認証情報がエラーログに記録される 情報漏えい 3.9 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1
PRODSECBUG-2186 注文一覧への不正なオブジェクト参照によるアクセス 権限昇格 3.7 CE 1.9.4.1
EE 1.14.4.1

SUPEE-11086を入手するには

Magento1.xのセキュリティパッチは、公式サイトのダウンロードページから入手できます。
適用対象サイトのバージョンに合ったパッチをダウンロードして、適用してください。

パッチの適用が難しい方へ

弊社では自力でのセキュリティパッチの適用が難しい方に対し、パッチ適用を行うサービスをご提供しております。
ご不安な場合はお問い合わせ下さい。

なお、弊社でMagento保守サービスをご契約のお客様につきましては、すでに適用が完了しておりますのでご安心ください。