Magento2系の最新メジャーリリース・2.2系がついにリリースされました。
Open Sourceのダウンロードページ

2.1系のリリースからおよそ1年3ヶ月掛けて様々な不具合の修正や機能改善が行われた2.2。
非常に多くの改良が行われています。
リリースノートはとても長いので、このエントリではダイジェストのみをお伝えします。
全てを知りたい方はDevdocsのリリースノートを参照してください。

Magento Open Sourceのハイライト

Magento Socialの同梱化

Facebookと連携し、Facebookページ上で商品情報の表示ができるサービス・Magento Socialとの連携エクステンションが標準同梱されるようになりました。

Magento Socialは有償のサービスですが、簡単な設定だけで使い始めることができます。

プラットフォームレベルでのセキュリティ性の向上

unserialize関数の利用廃止などの細かな改良が行われています。Magentoでは引き続きクロス・サイト・スクリプティング(XSS)対策を続けていく予定です。

動作環境の変更

PHP5.6系とVarnish3系とApache Solrがサポート対象外になりました。
あらたにPHP7.1系とRedis3.2系、Varnish5系、MySQL5.7系が正式にサポート対象になりました。

また、2.2系からはPHP7.xとCentOS6/7を使用した環境で日本語管理画面が正常に動作するようになっています。

パイプライン・デプロイメント

更新プログラムの適用時に本番運用環境の停止時間を最小化するために、新たに「パイプライン・デプロイメント」という手順が導入されました。

インデックス・カート・キャッシュ処理の速度改良

Magento Commerce側でB2Bエディションがリリースされたことに関連し、一度に300商品以上をカートに入れてもパフォーマンス劣化が起きないような改良を含むパフォーマンス改善が施されました。

また、インデックスの完全更新にかかる時間の短縮が行われ、より短い時間で処理が終わるように改善されています。

さらにVarnishをキャッシュサーバーとして用いる運用の場合に、エッジ・サイド・インクルーディング(ESI)に関する改良が施されています。

数多くのコミュニティからのフィードバック・改良

コミュニティからのGithub等へのフィードバック・改良の提案がMagento2.2では数多く取り入れられています。

Magento Commerceのハイライト

Magento Commerce向けにはOpen Sourceに対する改良に加え、以下の改良が加えられています。

B2Bエディションの提供開始

いよいよMagentoにもB2Bに対応したエディションが提供されます。
Magento Commerce(旧Enterprise Edition)限定ですが、Magentoで本格的なB2B ECサイトをより簡単に構築できるようになりました。

Magento Commerce Starter

Magento公式のクラウドホスティングサービス・Magento Cloudに小規模サイト向けのプランが用意されました。以前提供されていたプランよりも格段に安価で、Magento Cloudの機能性を活用できるサービスとなっています。

クラウド版のデプロイ手続きの改良

Magento Cloud限定の機能になりますが、より簡単にクラウド版専用のパッチリリースなどが適用しやすくなりました。

不正利用検知サービス・Sygnifydとの連携機能

日本国内でも類似サービスが既に展開されていますが、Magento Commerce2.2には標準で不正利用検知サービス・Sygnifydとの連携機能が装備されました(ただし、有償サービスです)。

有効化することで購入者が怪しい利用者の場合、自動的に購入を阻止するなどの措置をとることができます。

その他の改良など

Magento2.2ではその他のセキュリティ面の改善や、多くの不具合改良が含まれています。

今後弊社ブログではMagento2.0/2.1系からのアップデートを含めた様々な情報をご提供していく予定です。