Magento公式より、Magento1.xに対するセキュリティパッチ提供期限の変更がありました。
Magento1.xをお使いの方にはMagento2系への移行計画に関わる問題です。

Magento Commerce 1.xに対する期限

有償版のMagentoである、Magento Commerce(旧Magento Enterprise Edition)は、Magento公式から既に2020年6月までセキュリティパッチなどの提供が行われることが告知されています。

今回公表された内容は以下のとおりです。

Magento Commerce バージョン
(リリース年月)
セキュリティパッチ 不具合修正
1.13 (2013年10月)
1.14 (2014年7月)
2020年6月 2020年6月
1.9 (2010年7月)
1.10 (2011年2月)
1.11 (2011年8月)
1.12 (2012年4月)
2020年6月 提供なし

注意していただきたいのは、1.12以前のバージョンに対するセキュリティパッチの提供の継続と、不具合修正リリースの提供終了です。

これまでの告知では、メンテナンス継続対象は1.13以降となっていましたが、今回の告知では1.12以前のバージョンに対してもセキュリティパッチの提供が継続されることになりました。

Magento Open Source 1.xに対する期限

一般的によく知られている無償版のMagento、「Magento Open Source(旧Community Edition)」については、2018年11月がメンテナンス期限として、Magento2.0の公式発表時に告知が行われています。

今回の告知では、Magento Open Sourceに対しても2020年6月までセキュリティパッチの提供が継続されることが明らかになりました。
対象バージョンは以下のとおりです。

Magento Open Source バージョン
(リリース年月)
セキュリティパッチ 不具合修正
1.5 (2011年2月)
1.6 (2011年8月)
1.7 (2012年4月)
1.8 (2013年9月)
1.9 (2014年5月)
2020年6月 提供なし

注意していただきたいのは、1.4より前のバージョンに対しては、セキュリティパッチは一切提供されないという点です。
既に現在提供されているセキュリティパッチも1.5以降を対象にしたもののみとなっていますので、大きな問題はないと考えられますが、1.4以前を現在も使用されている方は、何らかの独自対策が必要になってきます。

追加:Magento2の各バージョンに対するメンテナンス期限

比較的よく頂くお問い合わせとして、Magento2系の各バージョンに対するメンテナンス期限があります。
今回の告知の最後にMagento2系のサポート期限に対する記載がありましたので、お知らせいたします。

Magento2.1

Magento2.1系は2019年6月までサポートされる予定となっています。
しかしながら、Magento2.1系はPHP7.0でしか動作しない設計となっており、2018年12月3日にメンテナンス期限を迎えるPHP7.0よりもあとにMagento2.1系のサポートが終了する事になってしまいます。

このためMagentoではMagento2.1系をPHP7.1に対応させるアップデートの提供を予定しています。
このアップデートは9月中には提供される予定となっています。

また、PHP7.2へのサポートについては、フレームワークレベルで大きな改変が必要となるため、Magento2.1系に対しては予定されていません。

Magento2.2

Magento2.2系のメンテナンス期限は2019年9月を予定しています。これはPHP7.1系のメンテナンス期限である2019年12月よりも前となっています。

このため現時点ではMagento2.1系と同じく、Magento2.2系をPHP7.2に対応させる予定はありません。
(Magento2.1系と同じくフレームワークレベルでの大きな改変が必要となるためだそうです)

Magento2.3

Magento2.3はPHP7.2に対応する形で開発されています。
(現在開発中なので、正式なリリース日・サポート期限については未定です)