Magento CE 1.9.1.0とEE 1.14.1.0の新機能紹介
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Magentoは先日オーストラリアで開催された、Magento Liveというイベントで、Enterprise Edition 1.14.1.0とCommunity Edition 1.9.1.0をリリースすると発表しました。
既にEnterprise Editionはパートナー及びユーザー企業に対して公開されており、Community Editionについては近日リリース予定となっています。このリリースは、位置づけ的にはマイナーバージョンアップとされているのですが、メジャーバージョンアップで追加されてもおかしくない機能が追加されています。
両方のエディションに含まれる新機能と改良点
もともとCommunity EditionとEnterprise Editionの間には機能差があるのですが、今回のバージョンアップでは両方のエディションに対して加えられた新機能と改良点があります。
- Google Universal Analytics対応
- イメージスワッチ機能
- レスポンシブメールテンプレート
- PHP5.5およびMySQL5.6への正式サポートとパフォーマンス改善
それぞれどういうものなのかを簡単にご紹介しましょう。
Google Universal Analytics対応
以前からMagentoにはga.jsを使ったGoogle Analytics連携機能が用意されてきました。
Googleは2015年にga.jsのサポートを終了すると宣言しているため、すべてのユーザーはサポート終了までに移行が求められています。
Magento CE 1.9.0.1およびEE 1.14.0.1以前のバージョンについては、サードパーティ製(弊社含む)のUniversal Analytics対応エクステンションを導入することが必要でしたが、今回のアップデートで標準機能としてUniversal Analyticsが新たに選べるようになりました。
イメージスワッチ機能
コンフィグ商品限定の機能ですが、商品の色などを選択してもらう際に、「テキストではなくオプションを画像ボタンで選択させたい」というご要望は以前からありました。
このようなご要望に対応する場合、サードパーティ製エクステンションの導入がこれまで不可欠でしたが、今回のアップデートによって標準機能として用意されることになりました。次の画像を見てください。
この商品はコンフィグ商品で、ブラックとピンクの色と、5つのサイズ展開があります。
今までの標準仕様では、この選択はサードパーティ製エクステンションを入れるか、独自にカスタマイズしない限り、プルダウンによる選択でしたが、今回のバージョンアップでカラーサンプルやサイズボタンといった視覚的にわかりやすい形を選ぶこともできるようになりました。
レスポンシブメールテンプレート
Magentoのメールテンプレートは大半がHTML形式のテンプレートになっています。
Magentoの初期バージョンがリリースされた頃は、まだスマートフォンやタブレットの黎明期で、日本以外の国ではメールを見るのは基本的にパソコン上という想定がありました(日本の場合はフィーチャーフォンのメール機能があったこともあり、携帯でも読めること、というのは比較的よくあるご要望でした)。
ですが昨今のWebサイトのデザインはレスポンシブまたはアダプティブデザインが主流となっていて、Magento用には非常に多くのレスポンシブデザインテーマが提供されています。
ところがメールテンプレートについてはCE 1.9.0.0とEE 1.14.0.0でフロントエンドがレスポンシブデザイン化されたにも関わらず、従来のままでした。今回のアップデートではメールテンプレートが改良され、パソコン上でもスマートフォン上でも適切な文字サイズ・レイアウトで表示されるように改良されました(ただし、日本の携帯キャリアアドレスおよび携帯キャリア提供のメールアプリを除きます)。
この改良に伴い、メールテンプレートの設定方法やカスタマイズ方法に変更が生じています。
例えば請求メールは次の画像のようなデザインに変更され、画面サイズによって自動的に表示が最適化されます。
これまでのメールテンプレートと大きくデザインが変わっているので、バージョンアップの際には注意が必要ですが、スマートフォンやタブレットの利用が増えている現在のネットショップ運営の実情から考えると、正しい機能改良ではないでしょうか。
PHP5.5およびMySQL5.6への正式サポートとパフォーマンス改善
既にPHP5.6が正式リリースされてはいますが、PHP5.5は比較的主流のバージョンとして位置づけられています。来年にはPHP5.4はメンテナンス終了になる予定なので、PHP5.5/5.6を選択しておくほうがよいでしょう。
また、Magentoはデータベース性能に依存するアプリケーションです。
Magentoが標準でデータベースとして使用するMySQLはバージョンアップのたびに性能を改善させています。今回のアップデートではMySQL5.6系に対するパフォーマンス改善が行われたことによって、それまでのバージョンよりも性能が得られるようになっているようです。
今後のバージョンアップについて
一部の予想では、今回のバージョンアップがMagento1系の最終リリースになるのではないか、という声もあります。Magento2のリリースが2015年中に予定されているため、CE 1.10およびEE 1.15が出ない可能性も考えられます。
Magento2が正式リリースになっても、すぐには実運用の段階に入ることはできません。
Magento1系からの移行には各種エクステンションの対応を待つ必要がありますし、初期バージョンには不具合がつきものなので、安定するまで待つ必要があるからです。
Magento1系をお使いの方は、できるだけMagento1系の新しいバージョンにアップデートしておくと、Magento2への移行の際にトラブルが少なくなるのではないでしょうか?(Magentoやエクステンションベンダーが古いバージョンに遡ってまでチェックをするかはわからないからです)
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