テスト環境でのバージョンアップとその後の対応が完了したら、いよいよ本番環境への反映を行えるようになります。
ですが、いきなり反映するわけには行きません。きちんと手順を踏まないと、トラブルが起きてからでは遅いです。 

事前準備

事前にメンテナンス告知を出す

まず、バージョンアップ実施前にアナウンスを出しましょう。
TOPページやヘッダーなどの目立つ位置に告知を1週間くらい前には出しておいたほうが良いでしょう。 

サイトをメンテナンス状態にする

バージョンアップ作業を行う際は、サイトをメンテナンス状態にします。
メンテナンス状態にするには、maintenance.flag というファイルをドキュメントルートに作成します。
そうすると、サイトはメンテナンス状態になります。

ちなみに、このとき表示されている画面は、 errors/503.php で処理されています。
必要に応じてカスタマイズすると良いでしょう。(開始時間と終了時間など明記しておくと良いと思います)

また、関係者のアクセスを許可したい場合は、index.phpをカスタマイズします。
maintenance.flag をチェックしている処理で、関係者のアクセス元IPを判定をする処理を入れればよいでしょう。

バージョンアップの実施

プログラムとデータベースのバックアップを取る

作業開始前にプログラムとデータベースのバックアップを取ります。
万一トラブルが起きても、作業開始前に巻き戻せるわけですから、これで一安心、というわけです。 

テストが済んだソースコード一式をアップロードする

次にテストが済んだソースコード一式をサーバにアップロードします。
かなり時間が掛かりますので、ゆっくり待ちましょう。
アーカイブの形にまとめてアップロードすると、1つずつファイルをアップロードするよりずっと早く作業できるでしょう。 

Magentoのキャッシュファイルを削除する

ファイルのアップロードが終わったら、Magentoのキャッシュファイルを削除します。
本番環境のキャッシュ保存先に、ファイル以外(memcachedやAPC, redisなど)を使用している場合は、それぞれにあった処理を行なってください。 

管理画面にアクセスする

キャッシュの削除が終わったら、管理画面にアクセスします。
Magentoが自動的にアップデート処理を行います。この処理に時間がかかることがありますので、注意してください。 

アップデートに伴う諸設定を行う

アップデートが正常に完了すると、管理画面のログイン画面が表示されます。
(ログインしていた場合は最後に表示していた画面が表示されます)
ここでエクステンションのバージョンアップなどに伴う設定変更をしておきましょう。 

関係者チェックと作業の完了

不具合がないか確認作業を行う

設定の変更が終わったら、関係者によるチェックを行います。
表示の崩れは当然として、各機能が正しく動いているかをチェックしましょう。

メンテナンス状態を解除する

最後に maintenance.flag を削除してバージョンアップ作業は終了です。