Magentoを日本語で使おうとすると、最初に問題になるのは言語の問題です。
Magento2でも日本語ロケールは標準パッケージに含まれていないので、追加でインストールする必要があります。

Magento2と翻訳

Magento2では、Magento1.xと同じように翻訳はCSVファイルとデータベースで行います。
Magento1.xの翻訳データを調整したことがある人であれば、特に違和感なく進められるようになっています。

ただし、Magento2の標準ロケールCSVファイルは、各モジュールの中に同梱されています。
Magento1.xでは1箇所に固まって配置されていたのとは異なるので注意が必要です。
とくにcomposer経由でMagento2をインストールすると、ロケールCSVファイルは基本的には変更できないものとして扱われます。

メールテンプレートの翻訳

Magento1.xではメールテンプレートは1種類ずつ独立したHTMLファイルとして、ロケールCSVとともに配布されてきました。
これは良い面も多かったのですが、バージョンアップの度に全てのテンプレートの差分をチェックしなければならないという課題もありました。

Magento2のメールテンプレートは、テンプレート自体を翻訳しなくても済むようになりました。
メールテンプレート上に書かれている文字列は、所定の形式で書くことによって、Magentoのストア設定で定められた言語に翻訳されるようになり、同時に全ての文言がロケールCSVファイルで翻訳できるようになっています。

ですからMagento2ではメールテンプレートだけを翻訳するという作業は不要となり、各言語別にロケールCSVファイルを翻訳していけば自然と翻訳されるようになっています。

ロケールの継承

Magento2ではロケールの継承という機能が追加されました。
ある特定のロケールパッケージをもとにして、独自の拡張・調整を行ったロケールパッケージを作ることができます。
ロケールの継承については、機会を改めて解説したいと思います。

Magento2の日本語ロケール

Magento2の日本語ロケールは、Crowdinでも行っていますが、Magento-Japanプロジェクトでも進めています。
Crowdinのほうは最終的にMagento2コアに取り込まれることを目指した翻訳作業ですが、Magento Contributor Agreementへの同意が必要です。

これに対し、Magento-JapanプロジェクトのほうはGithubアカウントさえあればどなたでも参加できます。
また、composerによるロケールパッケージのインストールができるので、手っ取り早くMagento2を日本語化したい方には向いています。

Magento2用日本語ロケールのインストール方法

Magento-Japanプロジェクトで配布しているMagento2用日本語ロケールは、以下の手順でインストールします。

  1. SSHでMagento2をインストールしたサーバーにログインします。
  2. Magento2がインストールされたディレクトリに移動します。
  3. composer require composer require magento-japan/m2-japaneselocale:dev-master とタイプして実行します。
  4. ロケールパッケージがインストールされるので、Magento2のキャッシュをクリアします。
  5. Magentoの設定でロケールを日本語に変更します。

この記事を執筆している時点では、Magentoの公式マーケットプレイスはまだオープンしていないので、Magentoの管理画面からはインストール出来ませんが、最終的にはMagentoの管理画面からインストールできるようにしたいと考えています。