Magento Commerce Cloudとは〜準備編〜
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今回はMagento Commerce Cloudのデモアカウントを使用した利用開始の流れをご紹介したいと思います。主にアカウントの開設と、開発者や関係者アカウントを作成し、プロジェクトの開発作業を進められる手前までをご説明します。
Magento Commerce Cloudのアカウントの入手方法
2019年7月現在では、Magento Commerce Cloudのアカウントを入手するためには、AdobeのMagento担当にアカウントの発行依頼をする必要があります。
発行依頼に先立って、Magento Commerce Cloudの利用料金の算出と利用契約が必要になります。
利用料金の算出には、
- ECサイトの年商
- 平均注文金額
- 月間トラフィック
- ディスク使用量
などが必要になります。
(詳しくは担当からの連絡内容に従ってください。時期によって内容が変わる可能性があります)
Magento Commerce Cloudアカウントの発行と同時に利用料の支払義務が発生しますので、Open Source版を使ってできるカスタマイズは進めておくのが良いでしょう。
送られてきた利用契約に署名し、アカウントが無事発行されると、Magento Commerce Cloudのマイページにログインできるようになります。
Magento Commerce Cloudのマイページにログイン
発行されたアカウントを使用して、マイページにログインします。
ログインするためのURLはアカウントの通知メールに記載されています。
無事ログインできると、以下のような画面が表示されます。
ProjectsタブにリストされているものがMagento Commerce Cloudの独立した環境です。
サンプルのスクリーンショットでは1つしかプロジェクトがありませんが、ここは契約内容によって数が変わります。
さて、ここからいよいよMagento Commerce Cloudを使ってサイトの構築を進めていくことになるわけですが、最初にいくつか準備をしておく必要があります。
最初に用意しておくもの
作業を開始する前に、以下の3つを用意しておいてください。
- SSH公開鍵
- magento.comのアカウント
- 公式marketplace用のアクセスキー
SSH公開鍵は、サーバーやGitへのアクセスに使用します。
magento.comのアカウントは、シングル・サインオンに使えるほか、公式marketplaceのアクセスキーを取得するためにも必要です。
公式marketplace用のアクセスキーは、エクステンションのインストールやMagento自体のアップデート時に必要です。
これらを順番に設定していきます。
アカウントの設定
マイページ右上のユーザー名をクリックすると、アカウント設定へのリンクが出てきます。
ここでは画面に表示される名前や、アバター画像の更新、パスワード再設定ができます。
また、この画面の下部に表示されている各セクションでは、
- SSH公開鍵の設定
- 二要素認証の設定
- シングルサインオンの設定
ができます。
SSH公開鍵の設定
Magento Commerce CloudのマイページのProfileを開くと、「SSH Keys」というところがあります。
最初は何も登録されていないので、「Add a public key」をクリックして、公開鍵を登録しましょう。
無事に登録できると、次のような表示になります。
二要素認証
「Security」のセクションでは二要素認証の設定ができます。
GitHubなどでは既に導入されている仕組みなので、同じ要領で設定が可能です。
「Set up application」をクリックすると、次のような表示になります。
二要素認証を使いたいサービスのアプリケーションをインストールした上で、QRコードをスキャンして進めてください。
シングル・サインオンの設定
Magento Commerce Cloudは以下のサービスのログイン情報でログインすることもできます。
- BitBucket
- GitHub
- magento.com
この設定は必須ではありませんが、よく使うサービスと連携しておくと便利かもしれません。
アカウント設定の「Single Sign-On」を開くと、対応サービスとの連携状態が表示されます。
必要に応じて連携設定を行ってください。
関係者アカウントの作成
Magento Commerce Cloudは一人で使うにはあまりにももったいないサービスです。
Magento Commerce Cloudでは、契約者アカウント以外に、
- 開発者
- テスト担当
- マーケティング担当
- プロジェクト責任者
などの関係者アカウントを作成できます。
プロジェクト一覧からプロジェクトを選び、画面左上にある歯車マークをクリックすると、このプロジェクトに登録されているユーザーの一覧を見ることができます。
「Add User」をクリックすると、ユーザー登録フォームが出てきます。
ユーザーのメールアドレスを入力し、環境別にアクセス権限を指定します。
アクセス権限には以下の5種類があり、それぞれできることが異なります。
- スーパーユーザー
- Admin
- Contributor
- Read Only
- No Access
作成するユーザーが担当する役割に応じたものを割り当てましょう。
開発者はContributor、プロジェクトの進行をレビューするだけの人はRead Onlyで良いでしょう。
あるいは、本番環境は触らせたくない開発者と、本番も触れる(つまりはリリース権限を持っている)開発者といった切り分けもできますね。
ユーザーを作成すると登録したメールアドレスに通知メールが送られます。もしメールがとどかない場合は、Magento Commerce Cloudのログイン画面を共有してあげましょう。
ちなみに、パスワードを入力する欄がこの画面にはありません。
なぜかMagento Commerce Cloudのユーザーは、初回にパスワードの再設定から始めなければならないという謎仕様があります。
次回はMagento Commerce Cloudを使ったプロジェクトの進め方について解説したいと思います。