OroCRMには、「マーケティングリスト」という機能が付属しています。
Microsoft Dynamicsなどをお使いの方であれば聞いたことのある単語かもしれません。

この機能を使うことで、リアルタイムにCRM上のデータを取り出して分析し、マーケティング活動に使うことができます。

そもそもマーケティングリストとは何か

マーケティングリストとは、ある一定条件に基づいてショッピングカートや注文履歴から抽出された顧客リストです。
マーケティング担当者が顧客に対してプロモーションを行いたい場合、例えば

  • 期間
  • 地域
  • 年齢層
  • 性別
  • 商品
  • 購買金額

などといった情報に基づくリストが必要になります。
マーケティングリストはこのリストそのものを指します。

マーケティングリストを作成する

マーケティングリスト一覧

マーケティングリストを作成するには、OroCRMのグローバルメニューにある「マーケティング>マーケティングリスト」にアクセスします。
マーケティングリストの一覧では、その時点で登録されているマーケティングリストが閲覧できますが、ここでは「新規作成」を選びます。

新規作成ボタンをクリックすると、マーケティングリスト作成画面が表示されます。

まずは基本データを入力

マーケティングリスト新規作成 - 一般

最初に基本データを入力します。
名前や説明は任意につけて頂いて構いませんが、「エンティティ」「タイプ」はよく考えて選んでください。
エンティティによって選べるデータ項目が変わりますし、タイプによって後々必要な操作が変わってきます。
(エンティティを途中で変更すると、列の定義やフィルターの定義がリセットされるので注意が必要です)

エンティティとは

エンティティはOroCRM上にあるデータモデルの種類です。 

  • Magento顧客
  • Magentoニュースレター購読者
  • Magentoショッピングカート
  • リード
  • 連絡先

という5つのエンティティが用意されていますが、Magentoと組み合わせて使うのであれば最初の3つのどれかを使うとよいでしょう。

タイプとは

タイプには2種類あり「ダイナミック」「オンデマンド」があります。

「ダイナミック」はマーケティングリストにアクセスしたタイミングで動的に結果データが作成されます。
都度データベースからデータを取得するため、結果データの件数が多い場合は、サーバーに負荷がかかることがあります。

「オンデマンド」は管理者が任意のタイミングでマーケティングリストを更新することができます。
結果データがあらかじめ決まっているので、更新から更新の間は低負荷で利用することができます。

マーケティングリストの列を選ぶ

マーケティングリスト - 列選択 

マーケティングリストにはエンティティの種類に応じたデータを含めることができます。
データの項目は作成者が任意に決めることができます。

列を追加するには、「フィールドを…」というプルダウンリストをクリックし、列の候補から選びます。

マーケティングリスト - 列選択 - 候補

あとは右にある「追加」ボタンをクリックすると、一覧に列が追加されます。
このとき、ソート順を指定しておくと、マーケティングリストがそのソート順に沿って並びます。
追加した列の順番を変えたい場合は、追加済みの行をドラッグすると変更できます。

結果データをフィルターで絞り込む

列の定義ができたら、次はフィルターで結果データを絞り込みます。
絞り込みには、

  • フィールド条件
  • セグメントを適用
  • 条件グループ

の3種類の方法があります。
条件同士は「AND」または「OR」で連結することができ、組み合わせによる絞込ができるようになっています。

「フィールド条件」とは

「フィールド条件」を使うとエンティティ(及びその関連するエンティティ)に含まれるデータ項目を使って、結果データを絞り込む事ができます。

マーケティングリスト - フィルター - 関連属性

日付の場合は特別な変数を使うことができ、現在日よりN日前という指定ができます。
N日前を指定したい場合は、「今日 -5」のように指定するとよいでしょう。

マーケティングリスト - フィルター - 変数

「セグメントを適用」とは

この方法では既に定義されている、別のマーケティングリストの内容を用いて結果データを絞り込みます。
複雑な条件を作るよりは、別のリストを流用したほうが結果データを適切に絞り込める場合に使用します。

マーケティングリスト - フィルター - セグメント

なお、この条件で選択できるマーケティングリストはタイプが「ダイナミック」のみです。

「条件グループ」とは

「条件グループ」は、「フィールド条件」と「セグメントを適用」を組み合わせて定義できます。
複雑な条件式を定義したい場合に使用します。

マーケティングリスト - フィルター - 条件グループ

すべての入力が終わったら、右上の「保存して閉じる」を選びます。
「ダイナミック」を選んでいる場合は、すぐに結果が得られます。
「オンデマンド」の場合は手動でデータの更新が必要です。

作成したマーケティングリストを何に使うのか?

マーケティングリストは、主にメールキャンペーンに利用します。
OroCRMにはメールキャンペーン機能が用意されており、OroCRMからプロモーションメールを配信することができます。