Magentoを使いはじめる際に、よく寄せられてきた質問として「サンプルデータのインストール方法がわからない」というものがありました。
Magento 1.xの場合は、あらかじめ作成したデータベースにサンプルデータを入れておいた上で、Magentoのインストールをしなければならず、分かりにくい上に間違った手順でサンプルデータを入れてしまうケースが多く見受けられました。

Magento2ではインストール周りが全面的に改良されたことによって、サンプルデータのインストール手順も改良されています。
このエントリではMagento2のサンプルデータを含んだ形でセットアップする方法をご紹介します。

※このエントリはMagento2 ベータ版を対象にしています。正式安定版では異なる可能性がありますので注意してください。

作業の前に

Magento2ではcomposerをパッケージ管理ツールとして利用しています。
Symfony2などのcomposerを利用するフレームワークをお使いの方には慣れ親しんだものだと思いますが、そうでない方は作業の前にcomposerをセットアップしておいてください。 

サンプルデータのインストール方法

サンプルデータをインストールするには、いくつかの手順を踏む必要があります。
とくに現在のMagento2はベータ版なので、サンプルデータ自体は別途配布になっている点に注意が必要です。

composer.jsonを編集

まず最初に、Magentoのルートディレクトリに含まれている、composer.jsonファイルを編集する必要があります。
テキストエディタでcomposer.jsonファイルを開き、"minimum-stability": "beta" という記述を先頭のセクションに以下のように追加します。

"name": "magento/project-community-edition",
"description": "Magento project (Community Edition)",
"type": "project",
"minimum-stability": "beta",
"version": "0.42.0-beta10",
"license": [
    "OSL-3.0",
    "AFL-3.0"
],

編集が終わったら、composer.jsonを保存しておきます。

composerでリポジトリを追加

次に、composerコマンドを使って、Magento公式のパッケージリポジトリを追加します。

Magentoのルートディレクトリで以下のコマンドを実行すると、パッケージリポジトリが追加されます。

php composer.phar config repositories.magento composer http://packages.magento.com

※composer または composer.pharなのかは環境によりますので、composer.pharを使う場合は読み替えてください。

composerでパッケージを追加

リポジトリが追加できたら、次はパッケージを追加します。

php composer.phar require magento/sample-data-fixtures:0.42.0-beta10

※Magentoの公式開発ドキュメントでは、"magento/sample-data:バージョン番号" となっていますが、うまくいかないようでした。

インストラーでインストールを実行

準備ができたら、インストーラーでインストールを実行します。
サンプルデータが選択できる場合は、インストール途中で選択できるようになります。

サンプルデータの選択

インストールを実行すると、自動的にサンプルデータがデータベースに投入され、必要な商品画像なども所定のディレクトリに配置されます。 

サンプルデータ投入後のMagento2

うまくサンプルデータが投入できると、Magento2をセットアップしたURLは、以下のように表示されます。

サンプルデータ投入後