正式リリースから2ヶ月。
ようやくMagento2.1のマイナーバージョンアップ版がリリースされました。

今回のリリースでバージョン番号は2.1.1となります。
位置づけ的には不具合修正版です。

2.1.1で修正された不具合と改善点とは

インストールとアップデート関係

  • "bin/magento setup:upgrade --keep-generated" がプロダクションモードで実行できるようになりました。2.1.0までは "bin/magento setup:upgrade" を実行する際に、Magento2が生成したプログラムコードやクラス定義マップがある場合はエラーが出ていました。
  • 2.0.9から2.1.1へのサンプルデータを伴う直接アップデートができるようになりました。

価格関係の不具合

  • カテゴリページの商品価格が正しく表示されるようになりました。
  • 価格表示がフルページキャッシュとの組み合わせで正しく動作するようになりました。
  • クーポンが支払方法に対して正しく適用されるようになりました。

ショッピングカートの不具合

  • ミニカートの表示が設定件数を超過して行われてしまう問題が改修されました。

パフォーマンス関係の改善

  • コンフィグ商品のバリエーション作成とプレビューがよりスムーズに行えるようになりました。2.1.0まではフォームキーが不正であるというメッセージが表示されていました。
  • 静的ファイルの生成処理が高速化されました。
  • 2500件以上の商品バリエーションを作成した場合でもフロントエンド表示のパフォーマンスが低下しなくなりました。

その他

その他9件の不具合が改修されています。
いずれも運用していくうえでは必要な改修となっています。

既知の問題点について

2.1.1でも以下の不具合は改修されていません。
2.1.2以降もしくは2.2で改修されるとみられています。

コンフィグ商品のオプション未選択時のエラーメッセージの表示位置

以下のスクリーンショットのように、コンフィグ商品のオプション未選択時に表示されるメッセージの位置が適切ではありません。

コンフィグ商品のオプション未選択時エラー

メールテンプレートの編集時エラー

一部のメールテンプレートを管理画面から編集しようとした場合に、テンプレートの読み込みができません。

セールスAPIの不具合

セールスAPIは期待されるような動作が現状できていません。

旧バージョンからのアップデートについて

Magento2のアップデートは管理画面から簡単に行なえます。
Magentoのコアコードを直接編集していなければ比較的スムーズに行えるようになっていますので、既に古いバージョンをお使いの方はアップデートされることをおすすめします。

なお、Magento2はMagento1.xと異なり、セキュリティパッチはリリースされません。
不具合の修正は新バージョンの提供を持って行うこととなっているため、適宜アップデートが必要です。