Magento2は2014年12月18日付けでアルファ版からベータ版へ昇格し、2015年末の正式公開を目指して開発が続けられています。
過去何度もリリース予定を延期してきたのですが、ベータ版に昇格したことによってようやくリリース予定に光が差してきたように感じられます。

さて、このエントリではそんなベータ版に昇格したMagento2をインストールする手順をご説明します。
(この記事は2014年12月25日時点の内容なので、正式版では手順が変わる可能性があります)

まずはソースコードを入手

Magento2の開発は、Githubのリポジトリで行われています。
日々多くのフィードバック・提案が行われていので、興味がある方はウオッチしてみるとよいでしょう。
(概ね日本時間の夕方から朝にかけて更新のメールが飛ぶので、安眠したい方にはお勧めできません)

次にMagento2のリポジトリをCloneするか、自分のリポジトリとしてForkします。
(Forkした場合はFork先からCloneしてください)

Magento2が動作する環境の確認

Githubリポジトリにも書かれていますが、Magento2は以下の環境で動作します。

項目バージョン
PHP 5.4.11以上または5.5.x
Ubuntuの詳細はこちら
CentOSは詳細はこちら
Apache 2.2または2.4
MySQL 5.6.x 

Magento1.xよりも新しいバージョンを要求するので、Magento1.xが動作できる環境であっても、Magento2にとっては非対応と判断されるケースがかなりあると予想されます。

Composerのインストール

Magento2はインストールにComposerを使用します。
ComposerはSymfony2ベースのアプリケーションなどでよく使われているので、馴染みがある方も多いと思います。
ただ、Composerのインストールにはコマンドラインでの操作が必要なため、技術者でない方には少々ハードルが高いかもしれません。
(正式リリース時にはComposerのインストール作業が不要になることを祈ります)

Composerをインストールする場合、LinuxやMacOSをお使いの方は、以下のコマンドをターミナルから実行してください。

curl -sS https://getcomposer.org/installer | php

Windowsをお使いの方は、Composerの公式サイトからComposer-Setup.exeをダウンロードして、インストールしてください。

Composer経由で関連パッケージのダウンロード

Composerがインストールできたら、Magento2が利用する関連パッケージをダウンロードします。
Magento2のルートディレクトリに移動し、 

php /path/to/composer.phar install

と実行します。
環境にもよりますが、それなりに時間がかかるので、気長に待ちましょう。

パーミッションの変更

Composerによるライブラリのインストールできたら、いよいよMagento2のインストールです。
と、その前に、以下のディレクトリに書き込み権限を与えておいてください。
(インストールの途中でもチェックしてくれますが、先にやっておくとスムーズです) 

  • app/etc
  • var
  • pub/cache
  • pub/media 

インストールの実行

インストール画面の表示

正しくMagento2が動く環境がセットアップできていれば、最初にMagento2のURLにアクセスすると、インストール画面が表示されます。

インストールの開始

Magento1.xとは大きく画面のデザインが変更になり、ずっとシンプルになりました。

環境チェックの実行

環境チェック

Magento2が動作できる環境かどうかは「Start Readiness Check」をクリックするとわかります。

チェック結果

もしMagento2が要求する内容が満たせていない場合は、ここで警告が出るので、一つ一つ解決することになります。
問題がないようであれば先に進みます。

データベース接続の設定

データベースの設定

ステップ2ではデータベースの設定を行います。
ここは環境に合わせた内容を入力してください。なお、Magento2はMagento1.xと同様にデータベーススキーマを作成する機能がインストーラーにありません。
事前に作成しておく必要がありますので注意してください。

ベースURLなどの設定

ベースURLの設定

ステップ3ではベースURLや管理画面URLの設定などを行います。
ここも環境に合わせて調整します。
Magento2ではMagento1.xにあったベースURLがアクセス可能かどうかを判断する機能が廃止されているので、テスト用のドメイン名やホスト名を気軽に使うことができます。

言語・通貨・タイムゾーンの設定

言語の設定

ステップ4ではタイムゾーンや通貨、言語の設定を行います。
将来的にはここでサンプルデータを同時にインストールするかどうかを選べるようになる模様ですが、現時点ではチェックボックスにチェックを付けられないように制限がかけられています。

管理者アカウントの設定

管理者アカウントの設定

ステップ5では管理者アカウントの設定を行います。
任意のユーザー名、メールアドレス、パスワードを設定します。
ここで作成したユーザーは初期ユーザーになり、すべての権限を持ったユーザーになります。

インストール処理の実行

インストールの実行

ここまで設定ができたら、いよいよインストールの実行です。
「Insall Now」をクリックすると、インストール処理が始まります。

インストール処理中

Magento1.xのインストーラーは進行状況がわかりにくいものでしたが、Magento2のインストーラーは進行状況がリアルタイムに更新されるものになりました。
「Console Log」をクリックすると、Magento Connect Managerのように、インストール処理の詳細が見られるようになり、エラーなどが見えるようになりました。

インストールの完了と管理画面の表示

インストール完了

すべてが無事におわると管理画面にアクセスするためのボタンと、セットアップ内容が表示されます。
「Launch Magento Admin」をクリックして、管理画面にアクセスしてみます。

管理画面ログイン

Magento1.xとはだいぶ違うログイン画面が表示されます。
このデザインはかなり前から採用されたもので、Magento1.xとはメニュー構成なども異なります。
Magento1.xとの違いについてはこれから解説していきます。